やる気を出した薫
学校から帰ってきて戸をあけたその顔。
ぶつくされている。
「ぴーん」と来た。
スイミングに行きたくないんだ。
でも何も言わないでいると、いつものように宿題を始めた。
でも、ぶつくされている。

そこで話を始めた。
「スイミングに行きたくないと?」
「・・・」
「どっか具合悪いと?」
「・・・」
何を言っても答えない。
「スイミングやめたいと?」
「・・・」
泣き始めるが答えない。
いろいろ話したあと、
「やめたいんならやめればいい。自分の好きにすればいい。ただ、何でも中途半端にすると自分にツケが回ってくる」と言うと・・・やっぱり泣くだけで黙っている。
さらに話し続ける。
わざと、やめるかやめないかの2つの選択肢しか与えなかった。
どうしたいのかを聞いた。
でも答えない。延々1時間半。
「じゃあ、もうすぐスイミングのテストだから、それまではなんとかがんばってみて、それまでにどうするか決めるって言うのはどう?」・・・「がんばれるかな?」
しばらくして「やってみる」と初めて口をきいた。
「じゃあ行くぞ」と4時間めぎりぎりに出かける。

車の中でもう少し話す。
目標を決めてやってこなかったのもよくなかったと思い、目標について話す。
「テストに合格したらどうすると?」
「続ける」
「じゃあ、不合格だったら?」
「もう一回考える」
「うんそれでいいよ」・・・「合格したら、次の目標は?」
「Cクラスに上がること」
「なるほど。その次は?」
「25m泳げるようになること」
「うん、そんなふうに考えるっていいね」

いつもより張り切ってプールに向かった。
今日の担当はAクラスの時にとてもお世話になった、あや先生。
飛び込みも、手回しも一生懸命がんばっている様子が伺える。
そして、1時間が終わって戻ってきた。
キラキラした顔をしている。
「決めた。不合格になっても続ける」
「どうして」
「先生に『薫くん、クロールが上手だね』って言われた」
完全に吹っ切れた顔をしている。
「今日、スイミングに来てよかった」と言った。

前回の試験に不合格で、最近寒くなってきたし、なんとなく行くのが嫌になってきていたんだと思う。
でも、やめるとまでは考えていなかった。
みんな、そんな時期があるのだと言う。
そこで、続けるかやめるか人それぞれなんだと聞いたことがある。

帰りの車の中で、
「どうしてスイミングに行きたくなかったと?」
「・・・」
「なんとなくだろ?」
「うん」
やっぱり。
「そういうことってあるよね。なんとなくって答えでいいんだよ」と言ったら、ほっとしたような顔をしていた。

一つ、山を越えたかなと思う。
あや先生に感謝。
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by kazekaoru_y | 2006-12-01 23:11
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